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[天保暦の置閏法]
Leap putting method

一般的に認識されている現代の天保暦の置閏法は以下の通りです。
(『暦法及時法』の天保暦の置閏法を、現代に適用させた一般的な解釈です。)


前提条件:

1.時刻は協定世界時 (UTC)でUTC+9を基準として使用する。

2.新月(朔)の状態となる時間を含む日を1日(1ヶ月の初めの日)とし、次の新月(朔)の日の前日までを1ヶ月とする。

3.二十四節気は定気法(太陽黄経が何度かで決定する。)を使用し、決められた黄経の角度の状態となる時間を含む日を節気とする。
 (定気法とは別に平気法(冬至から次の冬至までの期間を12等分して決定する)があります。
  定気法は季節を重視し、平気法は時間の等分性を重視していると筆者は解釈しています。
  それまでの暦と天保暦の大きな違いとして、平気法をやめ、定気法を採用したことが挙げられます。)


置閏法:

1.二十四節気の内、以下の節気を中気として、1ヶ月の間に中気が含まれる場合は、
 基本的に月と対応させることとする。
 (雨水:1月、春分:2月、穀雨:3月、小満:4月、夏至:5月、大暑:6月、
  処暑:7月、秋分:8月、霜降:9月、小雪:10月、冬至:11月、大寒:12月)
 又、中気を含まない月を基本的に閏月とする。
 (閏月は前の月の閏月とする。)

2.上記1.のルールでは従えない場合が出てくる為、次の中気は特別な扱いとし、
 絶対に月と対応させることとする。(春分:2月、夏至:5月、秋分:8月、冬至:11月)
 (1ヶ月の間に中気が2回含まれる場合がある。この場合、どちらの中気の月とすべきか決められなくなり、
  また、そのようなことから、中気を含まない月が1年の間に複数ある場合に、機械的に複数の閏月をおいてしまうと、
  結果的に、月が飛んでしまうことにもなりかねないからです。(1月、閏1月、3月のようになってしまいます。)

さて置閏法:1.についてですが、じつはこの事項は太陰太陽暦の一般的な事項であり、理想的な状態を指しているにすぎません。
事実、『暦法及時法』では1.の事項の内で触れられているのは、「中気を含まない月を基本的に閏月とする。」の部分で、
正しくは「基本的に中気を含まない月を閏月としますが、中気を含まないからと言って必ず閏月とはしません。」と言うことなのです。

私は、自分で勝手にあると思いこんだ、この置閏法:1.に後々まで足を引っ張られ、天保暦の置閏法のロジック作りに
悪影響を与えていました。私のようなセンスのない人間でもわかるように天保暦の置閏法を記述すると下記の通りとなります。

①二至二分を特別な中気として、二至二分を含む月を優先して月と対応させることとする。(春分:2月、夏至:5月、秋分:8月、冬至:11月)
②二至二分を含む月と次の二至二分を含む月の間が2ヶ月(2朔望周期)しかない場合は、その2ヶ月は順に月採番し、閏月を置かない。
③二至二分を含む月と次の二至二分を含む月の間が3ヶ月(3朔望周期)の場合は、中気を含まない月を閏月として順に月採番する。
 (閏月は前の月の閏月とする。ここでの中気とは二至二分を除く、雨水、穀雨、小満、大暑、処暑、霜降、小雪、大寒とする。)

以上が純粋な現行天保暦換算のロジックになりますが、当然ながら2033年問題には対応していない為、破綻してしまいます。